ロシアウォッカ クバンスカヤ 新旧飲み比べ [ウォッカ談義]
昨夕、久しぶりに銀座のウォッカバー BLOODY DOLL(マスター土谷博氏03-3289-8155)に行ってきました。7月にモスクワで入手した最新のクバンスカヤを持参し、土谷マスターが今も大事に保管しているソ連時代のクバンスカヤと飲み比べてみるのが主目的です。最新の方も私の事務所で冷凍してあったのでキンキンに冷えており、古い方もマスターのところの冷凍庫に保管してあったのでキンキンです。ふたつともソ連・ロシアの時代の違いを超えたもののまったく同じレシピで作られていて、商標もラベルの絵も同じです。但し、原料の小麦や副材料の柑橘類など天然素材は気候や生産地で多少の違いはあります。また、長い年月おいてあったものと、数か月前にボトリングしたばかりのものとは何かの点で違いが生ずる可能性はあります。
さて、2つをデザインの違うショットグラスに注いでいただき、おごそかにまず新のほうをコクンとやってみました。もともと昔からクバンスカヤが好きだった私ですが、「う~ん。かすかな柑橘類の香り。やはりうまいッ!さわやか!」
次に昔のほうをコクン。 するとちょっと柑橘類の香りが強く、全体にきつく感じました。
他のフレーバードウォッカの場合は通常古いほうが、アルコールが弱く甘くまろやかに感ずることが多いですが、今回は逆で、新しいクバンスカヤのほうが香りや風味が奥のほうに隠れていて、でも飲み干した後そのフレーバーがしばし鼻腔に残りなにか奥ゆかしいまろやかさを感じました。これだと私は昔よりもっと好きになると思いますが、残念ながらクバンスカヤは今は日本には輸入されていません。ちなみに、ロシアではフレーバードウォッカはウォッカのカテゴリーに入らす、スタルカ、リモンナヤ、ペルツォフカなど色と香りをつけた浸酒ウオッカはBitter(ロシア語でНастойка горькая)と分類されています。しかし、このクバンスカヤは前面ラベルにウォッカと書かれています。つまり柑橘類からとったフレーバーはウォッカの中のわずかな添加物なのでしょう。
私はこのウォッカバーを訪ねるといつも、なにか自分の知らないウォッカをひとつ飲んでみることにしています。昨夕はポーランドのジャガイモから作ったピュアウォッカをショットで飲みました。ジャガイモより小麦やライ麦からのウォッカのほうが品質がいいので今は穀物原料に落ち着いたと聞いていましたが、このジャガイモウォッカはどうしてなかなかのものです。どこかにジャガイモを感じないか一生懸命何口かに分けて飲みましたがよくわかりません。でも最後に残りをあおった瞬間「アッ、ジャガイモだ」と思わず声をあげました。でも、お酒の仕事にかかわって何年もたつのにほんとに利き酒はむずかしいです。ソムリエさんや利き酒師さんはほんとにエライといつも感心しています。
Vodka shop店長
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